夜空にランプ
「明日から、学校始まるんだろ?」
ニスの蓋を閉め立ち上がり、棚に戻しながらそう言った。
「うん。あっという間だったなぁ」
何の解決になるのか、まだはっきりしてない以上、穏やかに過ごせる訳もなく、この三日間はただ淡々と過ぎてしまった。
「俺も行こうかな、学校」
「え?…何時間目に?」
エプロンに両手をつっこんで、にっと得意なニヒル顔でそう言う彼の言葉は、すごく意外なものだった。
「うーん…午前中かなぁ」
語尾を濁し、くぐもる声をわざと出す。
「またー、アバウトな」
「わっかんねーけど」
塚田君はちょんまげをほどき、髪をぐしゃぐしゃっとぶっきらぼうに掻いた。