夜空にランプ
有紗は誰ともグループを作らず、それでいて、分け隔てなく接している。
それは前から変わっていない姿だ。
でも私との距離は全然縮まってはいなかった。
お互い避けているのだ。
いくらあんなような強行手段に出ても、そう簡単に事が進まないことくらいわかってる。
それでも、どうにかしたいという気持ちはずっと消えることはなかった。
有紗にも同じ気持ちがあるのか、それがわかったら苦労しないのに。
本当は一番有紗に本音をぶつけたかった。
言える日はやってくるのだろうか。
すやすや眠り続ける塚田君、クラス内に賑わうみんなの声、何てことないある一日の休み時間、私は薄曇の空をただ一人眺めていた。