夜空にランプ
悩みながらも不安を抱えながらも、嬉しさがそこには加わっている。
私は朝、いつもより一時間早く登校し、下駄箱で芽衣子を待った。
「熊谷どうした!!」なんて、久保田先生にゲテモノでも見たようなものすごい形相で驚かれたりして。
(失礼だ。芽衣子に言いつけなきゃ気がすまない!)
そんなことを考えながら。
「これ全教科?…ちーちゃん!!!」
「驚くのはまだ早い!ね、中身見てみてよ」
渡したノートを開くとふにゃっと極上のたれ目から今度は、はっとした表情になる芽衣子を見て私はどや顔になった。
「えええ!嘘やん」
関西弁が出るときはすごく驚いたとき。
彼女のくせだ。
「嘘じゃありませーん、しかも本人が書きたいって言ってきたんだよ」