夜空にランプ
「…ありがとう。ありがとう」
そう二度繰りし、ノートから顔を上げたとき、あの時見た綿雲よりずっとずっと柔らかい笑みを見た。
芽衣子らしい、見慣れた笑顔。
その日から芽衣子は少しずつ登校する日を増やしていった。
大場君と会話する微笑ましいあの光景も見られるようになった。
テスト最終日、私はついに決めた。
芽衣子がいない間に起こった出来事を打ち明けることを。
でもそれより先に打ち明けたのはお店のことだった。
「ちっちゃ~い、これは地図でこっちはランタン!こっちはリュックだ!」
この日、芽衣子を初めて連れてLampに立ち寄っていた。