夜空にランプ


事前にちゃんと許可を得たものの、誰かに働いていることを知られるのは、やはり抵抗があったはずだ。


最初こそ渋ってたが、秘密を守れるならという理由で塚田君は承諾してくれたのだった。





芽衣子にはお勧めしたい雑貨屋があるということだけを伝えて、お店に着くまで他の情報は話さないどっきり企画に仕立てた。




結果、どっきり大成功!



「えー嘘やん!!何でやねん!信じられん!あの塚田君?ほんっとびっくりした~」


「ちなみに、私が航基のおばあちゃんよー。うふふふ」


「あ、そうなんで、て、えーーーーーーー!もう、驚き疲れた」


「あらま、ちょっと休憩に紅茶淹れようかしらね」


爽やか店員姿の塚田君を発見するなり、学校では出さない大きな声を出し、早くもリンコさんとも意気投合。


塚田君も少し照れくさそうに俯いたりしていたけれど、私と目が会うと、にっと微笑んでから店員の顔に戻っていた。



私にだけわかるような素振りに、一瞬にしてドキっと鼓動が高鳴ったのは密かに焦ったけど。








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