夜空にランプ
写真部の先輩達が残していったアルバムを、今度は私達が残していく。
写真は自分が残したいと思って選ぶものや、みんなの声を聞いて選ぶものもある。
「あ、これ一番最初にむちゃぶりやった時のだ」
私が手にした写真を芽衣子が覗きこむ。
「あー!やったねこれ~超ちーちゃん笑ってたよね」
いつもの近場の公園で撮影した、単に私がブランコに乗って笑っているという、シンプルなものだけど、実はアイドル誌の撮影というテーマで撮ったものだった。
恥ずかしくて思うようにアイドル風な笑顔が難しく、何とかして笑えないかとカメラマン役の芽衣子が奮闘したのだ。
変顔してみたり変なダンスしてみたりと、親しくなり始めて間もない頃で、そんな一面に驚いた。
一番衝撃的に笑ったのは、芽衣子が本気で音痴だと知ったこと。