夜空にランプ
他の部員達が出てった後、ドアをゆっくり閉めた玉城先輩は、いつになく真剣な顔つきで私達に向き直った。
「……クラスであった事、だいたいは久保田先生から聞いてる。もし、また何かされたら…いや、その前に少しでも相談して。もう二度と辛い目に遭わせたくない。…迷惑かけたのは俺のせいもある。…ごめん」
玉城先輩は頭を深く下げた。
私と芽衣子は顔を見合わせて驚いた。
それ以上玉城先輩は何も言わず、無理やり作った爽やかスマイルで去っていった。
その後噂に詳しい菫から、玉城先輩は追っかけの子達に何度も直接頭を下げにいき、嫌がらせを辞めるようにお願いしたらしいということを聞いた。
その姿に興ざめして、ファンを辞めたという子も多いが、中にはまだ密かに追っかけを続けている人もいるらしい。
これで疑問に思っていたいくつかのことが解明。