夜空にランプ
それは肩で息をする、驚いた顔の有紗だった。
一瞬にしてぎこちなく気まずい空気が流れる。
その場から動くこともできず、日誌を抱える手に力が入る。視線は定まらず、明らかに挙動不審状態。
すると、有紗はそんな私に構わずにずんずんこっちに歩いてくる。
部活であろう、ジャージ姿の有紗。放課後の教室に用なんて、彼女も忘れ物なのだろうか。
ピタっと私の前で足を止める。
「これ、渡しといて」
そう言いながら紙袋を渡してきた。
突然のことでとまどいながらも受け取り、中を見てみると、入っていたのはなくなった芽衣子の体育着だった。