夜空にランプ



「ふーう。やっと言えた。さてと、部活戻ろ」


「有紗…、ごめ」


「ウザイ。本当にそういうのウザイ。いらないから」


さっさと背を向け教室を出ていこうとする有紗。


「…芽衣子には直接言う。…今までごめんね、ちーちゃん」



背を向けたままそう言い、廊下に出たと同時に走り出した。

顔を見ていないから定かじゃないけど、きっと泣いている気がした。



「有紗!」


私は急いで追った。


「有紗ー有紗ー!あーりーさー待って!」


「なあに!うるさいんだけどー」


観念して途中で足を止め、ばっと振り向く。


「はぁ…はぁ…、あのね…、バイバイ」


「ぷっ、それだけかよ!…じゃあね、部活行ってきます」




笑って手を振るその姿は、いつも放課後の教室で私達に見せていた姿と、変わっていなかった。


ただ一つ違っていたのは、有紗の大きな瞳が赤く腫れていたとこだ。






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