夜空にランプ
「ふふっ、ありがと。実はさ、いつかは家具も作れるようになりたいんだ。子供の学習机とか、ベッドとか、食器棚とか。これは、思いつきで挑戦したやつ」
そう言って梯子にそっと触れる。
「そうなんだ…」
私の目には梯子だっていびつさもなく、木目の優しい風合いも綺麗に出ていて、売り物でも全然おかしくなく見える。
「梯子を梯子として使うんじゃなくてさ、雑貨を置くのもかわいいんだろうね。お店みたいにディスプレイして。私も欲しいな…」
「おっ、作ろうか?、こぐま用に」
「ええ?冗談?」
「まじで。練習にもなるじゃん」
にひっと口の端を上げ、にんまりする彼は、もうやる気まんまんだった。
「父さん達の雑貨も引き継いでいくつもりだけど、自分なりの作品をもっと造れるようになりたいからさ」