夜空にランプ
すっかり塚田君ペースに巻き込まれてるけど、それもまあいいかと思えてくる。
だって彼を見ていたら、さっきまでのもやもやがすーっと消えていってしまうから…。
普段何を考えているかわからないポーカーフェイスの達人が、実は無邪気にじゃれつく子犬のように笑うという破壊力はとんでもない。
(嬉しそうな顔してくれちゃって。む~、なんか悔しい)
それに私の好きなものを、塚田君も好きって言ってくれる、そのことが、心が震えるほど嬉しくて幸せだった。
「ありがとっ」
照れつつ、塚田君の横にストンと座る。
横顔の時に見える彼の首筋や喉仏のラインは、何だかそわそわするくらい大人っぽくていつも困る。
でも、そこも好きだったりする。
彼が広げる写真を私も覗く。
すると、ふいに右側の髪が何かに触れる感覚がしたのとほぼ同時に、右の頬に一瞬、微かだけど柔らかいものが触れたことに気づく。