夜空にランプ
私はこれまでの彼の姿を思い起こしながら椅子に座り直した。
学校よりも、お店のことを一番に考えて、行動している塚田君。
作家としての活動に、憧れを抱きながら夢を描きながら、誇りを持ってまっすぐ進む彼はいつだって眩しい。
そのひたむきさは傍で見ているだけで、自分も胸が熱くなるほど。
「千鶴ちゃんとなら、きっと、あの子もありのままでいられるんじゃないかなって、そう思えるのよ。ここだけの話、今日あんなことあったこんなことあったって、話す話題にいつも千鶴ちゃんが出てくるのよ。前はほとんどお店以外のこと話さなかったの。もう、お陰で私も楽しくって。ふふっふふふ」
思い出したのかリンコさんは顔が赤くなるほど笑った。
(え…っ。一体どんな話してるんだろう。やばいすごく恥ずかしい、でも嬉しい…)
「あの、私、力になれてるのかなって、不安なんです。どうしても、空回りっていうか…。もっと他にできることあるんじゃないかって思って、でも何もできてないし」
俯くと、リンコさんが手を伸ばし、私の手を取った。