夜空にランプ
「ふふ、あなたも甘えるの苦手みたいね。素直になれなくて、つい違うことしちゃう。航基とそっくり」
「え、…わかるんですか?」
「もちろん。もうずっと一緒にいるじゃない。それくらいわかるわ。それに、千鶴ちゃんは私のもう一人の孫よ。いいのよ、あなたはあなたらしくいてくれたら。それが一番なのよ。大好きなことに胸張ってね」
私の右手を両手で優しく擦ると、ぎゅうっと握った。
リンコさんの言葉全てが不安を消し去り、変わらない手の温もりに一気に涙がこみ上げる。
「……リンコさん」
「あらやだぁ、泣かないでぇ。ほら」
自分の作品でもある、ピンクの水玉模様のティッシュケースに包まれたティッシュの箱をひょいと渡す。
「そうだ、…ね、もうチュウした?」
「…!!チーン!じでまぜんっ!」
この流れでのまさかの質問に、どれだけびっくりしたか。
おもいっきり鼻をかんでからきっぱり断言した。
(…ほっぺには、されたけど)