夜空にランプ


部屋の真ん中に灯された、アロマキャンドル。



それを二人で囲む。



天井や壁にゆらり動く、キャンドルホルダーの花や星のシルエット。




もちろん、ふわふわあったかのブランケットと、ココアラテも用意して。





今日は二人して口数が少ない。


彼の顔を見ると、どうしても胸が痛くなった。


まるで意識し始めて、目を合わすことにいちいちドキドキしていた頃のように。





『おもいっきり甘えてみたらどう?』


リンコさんのアドバイスを思い出す。

芽衣子にだって、散々可愛く甘えたほうがいいって言われた。



自分だって今日くらいしかもうそんな機会ないこと、わかってる。



だけどやきもきする時間ばかりが増えていく…。








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