夜空にランプ
芽衣子はくるりと向きを変え、軽やかに髪を弾ませながら小走りに駆けていった。
一人になった私はゆっくり深く息を吐いた。
テストまでいよいよあと数日と迫った頃、久しぶりに塚田航基が来ていた。
何日ぶりだろうか、やっと登校してきたというのに、何故かすっと周りに溶け込んでしまい違和感を抱かせない。
ずっと来ていなかったことが信じられないという具合に、ごく自然に席にいる。
その妙な溶け込み感に、思わず感心してしまった。
休み時間、芽衣子の席に行き談笑していると、何やら一人黙々と机に向かっている彼の姿に気づいた。