夜空にランプ
心配そうに眉をひそめながらこちらをうかがう芽衣子。
私は『行ってくる』、という合図の代わりに、目をパチッと見開いて無言の合図を送った。
それに芽衣子はこくっと短く頷いて答えた。
(いざ出陣!)
芽衣子の席からそのまま机脇を歩いていくと、突き当たりである後ろのロッカーで、群がって騒ぐ男子達が目に入る。
少々面倒だけど、ロッカーに用があるふりをしていけばいいだけだ。
ドキドキと好奇心に似た鼓動を響かせながら、ついに来た。
塚田航基の机。