夜空にランプ
すぐに再びノートに視線を戻した時、彼の口元が一瞬緩んだのを見た。
含み笑いのような、にやりと上げた口角。
長い前髪が上手い具合に隠れ、口元だけが露わになり、妖艶な雰囲気を醸し出している。
(や、やばい!色んな意味でまたやばい!)
有紗に解放され、もう一度改めて彼の方を見ると、最初に見た姿と何ら変わらなかった。
(おかしいな、いや、おかしいのは私か。おかしい私を見て笑ったのか?)
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