夜空にランプ
「そうなの?わかった、またね!」
「ごめんね、またね」
芽衣子があっという間に帰ってしまうと、店内の賑やかさが鮮明になって聞こえてくる。
私だけ一人の席になってしまった。
仕方ないことだけど、落ち着かない。
さっき食べたバナナと抹茶のドーナツの、抹茶の苦味だけがまだ口の中に残っていた。
時間は二時を少し過ぎたばかり。
家に帰ってもどうせ誰もいないし暇なだけ。
まだ時間を潰していたい。