夜空にランプ
眼差し
さっきまでのおとぎ話風な世界から、一気に現実世界に引き戻された感じだ。
まばたきするのも声を出すのも忘れ、ポカーンと口を開けたまま、中途半端な振り向き姿で彼を見ていた。
向こうも同じように目を丸くして私を見ていた。
「おやおや、ひょっとして航基のお友達?んもー、早く言ってくれたらよかったのに」
店主さんが交互に私達を見ながら愉快そうに笑った。
「あーびっくりしたー、はは、来てくれてたんだ」
「え?う、うん」
「いらっしゃいませーってもう帰るんだっけ、じゃあ俺近くまで送るよーいこいこ」
「あ、あの、ちょ」
驚きを消化できないまま彼のペースに流され、店の外に促されてしまった。