【BL】好きになっていいですか?
「分かっているなら、変な冗談はやめろ。鍵返せよ。」
「残念ですが、冗談なんかじゃありません。本気です。」
コイツ馬鹿なのか?
それとも変人?
いや、どっちもか。
「アナタが好きになっていいと言ってくれるまで、鍵は返せませんね。」
「ふざけんな。誰が言うか!!」
「それは残念です。」
そう言うなり彼は颯爽と改札を抜けていった。
俺の鍵を持ったまま。
「今日19時、この場所で待っててください。一緒に食事でもしましょう。」
「は!?誰がそんな――」
「来ないと、鍵は僕が貰いますよ。」
終始笑顔のまま、彼は姿を消した。
何なんだよ…
何なんだよ、アイツは!!!!!
「今日は厄日だな。」
追いかけようにも彼の姿はない。
俺はトボトボと出社した。