【BL】好きになっていいですか?
彼に連れてこられたのは、ちょっと洒落たレストラン。
なんか高そうなとこだ。
「僕のおごりです。好きなものをどうぞ。」
どうぞって言われても…困る。
「こんな高いものは食えない。」
「遠慮なさらずに。決められないなら僕が頼みましょう。嫌いなものはありますか?」
「特には…」
彼はボーイを呼び、
「Aコースを二つ。」
と注文した。
「なぁ、どうしてお前と食事しなくちゃならないんだ?」
「僕がアナタに一目惚れしたからですよ。それと僕は金城 朔弥(カネシロ サクヤ)です。朔弥と呼んでください。」
朔弥……
随分と格好いい名前じゃないか。
「アナタは?」
「?」
「名前です。」
「……橘 裕理(タチバナ ユウリ)。」
「良い名前ですね。」
「女みたいだろ?」
「そんなことないです。」
会話の途中、ボーイによってワインが注がれた。
「お口に合えばいいのですが。」
彼の勧めで一口。
「どうです?」
「飲みやすい。」
「それはよかった。」