【BL】好きになっていいですか?
朔弥の言うことはどこまで本気なのか……。
「なぁ、本気で俺が好きなのか?」
「もちろんです。信じられませんか?」
「まぁ」
いくら一目惚れだとしてもなぁ。
「アナタは知らないから。」
「それ昨日も言ってたよな?どういう意味だよ?」
「本当はね、一目惚れじゃないんです。いえ、最初は本当に一目惚れだったんですけどね。僕はもう一年もの間アナタに片想いしていた。」
一年…?
「一年前、偶然同じ電車に乗るアナタを見かけて。でもアナタはいつもつまらなそうな顔をしていたから、笑った顔が見てみたいと思うようになりました。だけど、いきなり話しかけるのはどうかと思いまして…」
話す朔弥は少し恥ずかしそうだった。
「昨日アナタが鍵を落としたとき、チャンスは今しかないとアナタに声をかけたんです。」
すごく緊張しました、と朔弥は笑った。
全然そんな風に見えなかったのに…。
「少々強引でした。すみません」
「いや……」
結果的にご飯ごちそうになったし、謝られても困る。
あたふたしていると、朔弥の手が伸びてきて、俺の頬に触れた。
「アナタの笑顔が見れただけで満足です。ありがとうございました。」
「礼なんて言う必要ない。」
「僕の我が儘ですから。」