たぶん恋、きっと愛
「プラチナのスクリュー。動くとキラキラして綺麗だよ」
「はい、さっき鷹野さんに付いてた時は良く見えたのに」
軽く引っ張りながら雅は、なかなか視界に入らなくなったネックレスを指で探った。
「あげるよ」
「えっ」
「元々は女性用なんだ。前に、綺麗だから買ったんだけど、雅ちゃんにあげる」
「やっ…でも!」
至近距離の雅の頬が、ふわりと上気した。
戸惑った目は、受け取っていいものかどうか、迷っている。
「特別高いもんでもないし、思い入れも別にないから」
「でも…いくらでしたか?」
ずっと指で首筋を探りながら、雅は困ったように、でも少し嬉しそうな色を浮かべて、眉を下げた。
「大丈夫。2万行かない」
「充分高価じゃないですか!」
弾かれたように顔をあげた雅と、とても近くで目があった。
見覚えがある。
この目は、凱司に。
体以外で何も支払う物がない、と言った時の、目だ。