たぶん恋、きっと愛
帰宅するなり、凱司は。
嬉しそうに玄関に出迎えた雅の頭を、真上から掴んだ。
「……お、かえりなさ…ぃ?」
怪訝そうな雅の表情も、黙ったままの凱司に、だんだんと不安げに変わる。
「……ああ」
「…どうしたの、か…聞いてもいい…ですか?」
「駄目だ」
「……駄目」
しゅん、と視線を下げた雅の頭を乱暴にかき回してから手を離すと、凱司はようやく靴を脱いだ。
「鷹野は?」
「コーヒー、淹れてくれてます」
凱司の後ろを、叱られた子犬のようについて行きながら、雅は乱れた髪を撫でつけた。