たぶん恋、きっと愛
不思議と、外の暴風雨もあまり、気にならなかった。
大嫌いな雷も、いつもよりは恐怖心を煽らない。
「そのまま学校行くのか」
「明日…休みだから」
青みがかった灰色の、きつい目。
金色の、濡れた髪。
「…毎日、ここに来てたな。ずっと外泊か」
「……週末、だけです」
筋肉質な、肩。
刺青だらけの、腕。
「馬鹿だろお前」
「…なん、で……」
骨っぽい長い指。大きな手。
手首から筋肉に添って巻き上がる、薄墨色の蛇。
馬鹿にしたように、唇の端を上げたガイに、少しだけ安堵して。
蛇だったんだ、と。
ようやくはっきり見えた刺青に少しだけ、嬉しくなった。