たぶん恋、きっと愛
「どうしていつも黙ってる?」
「…話すことなかったし…」
なんの変哲もないプラチナの粒が、耳朶にいくつも見える。
「話すコトもねぇのに2週間も通うのか」
「………」
濡れた寒さで白くなった雅の、唇。
じゃあ、あなたは何をしに来ていたの?と開きかけ、ふと閉じた。
冷たくなった雅の頬に、不意にガイの手が伸びて。
触れられた箇所から首筋にかけて、一気に血は巡り、鳥肌が立った。
「暇な奴だな」
にこりともせず、そうはっきりと発音したガイの顔が近くなって。
唇は。
雅のそれへと。
軽く、ごく軽くだけれども。
…重なった。