たぶん恋、きっと愛


「佑二、今日学校は?」

「午後から。とりあえず午前中は、この子の宿題みますよ」


「えっ」


「ああ、凱司は意外とそういうとこ、うるさいからなあ」


俺にも覚えがある、と、くすくす笑った鷹野は、熱が高いのか、大きく息を吐いた。


「やっ…あの!もうひとりで出来るから…!!」


切り分けたサンドイッチを乗せた、白い皿を佑二に渡しながら、雅は言うけれど。


佑二の隠れた目が、馬鹿にしたように歪んだ気配を察し、目を逸らした。



「あんたの何を信用しろと」

「ええっ…」

「結局、凱司さんが居なくなってから一回も触らなかったじゃないか」



眉を下げて。

今日はちゃんとやるもん、と呟いた雅は、凱司さんが二人になった気がする、と嘆いた。



「で、なんでそんな怪我したんですか? 俺、なーんも聞かされてないけど?」


ゆっくりコーヒーに口をつけた佑二に、うっすら滲む怒りは。

何も聞かされないままの今かと思えば至極真っ当だ、と。

鷹野は、いつも説明の足りない凱司を軽く恨んだ。
 


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