たぶん恋、きっと愛
宇田川は、まあその方が良い気もする、と思い直していた。
凱司に礼儀作法を教え込んだのは自分だ。
あなたは体が大きいのだから、と、一番綺麗に見える所作を教え込んだ。
ただでさえ、容姿は日本人離れしていて、あの身長。
威圧感は人一倍ある。
子供の頃も、他の子より頭ひとつは大きかった。
まさかあんなに伸びるとまでは思わなかったが。
それを生かす、綺麗な動作は、まずキリリと背筋を伸ばす所から始まった。
小さく見せようと猫背になる必要は、ない。
あなたは笠島の跡取りなのだから、と。
穏やかな態度は取れる。
だがそれでも。
年寄りには要らぬ威圧を与えてしまうに違いない。