たぶん恋、きっと愛
「行ってきます!」
にこにこと嬉しそうな雅に圧されたのか、凱司は今さら自分が行くとも言い出せずに、頬をひきつらせた。
「ああ……制服、で行くのか」
「はい、結局おばあちゃんに見せてなかったから」
ちらりと宇田川を見れば、いつもの余裕のある甘い顔立ちに、多少の戸惑いが見て取れた。
「…では、お借り致します」
固く頭を下げた宇田川も、凱司と視線を合わせ、そこに微かな同情の色を見い出すと、肩を落とした。
やはり。
嬉々とした雅には言えない。
多分、おそらく。
自分が感じたイメージは、凱司も感じたのだと思う。
この組み合わせは。
この取り合わせは。
援助交際にしか見えない、と。
「凱司さん…あなたでも同じことです…」
せめてもの腹いせに、宇田川は低く呟いた。