たぶん恋、きっと愛
「ごめんなさい宇田川さん。あたし、失礼なことしました。これから三年間、よろしく、お願いします…」
深々と頭を下げたまま、顔を上げない雅に戸惑い、凱司を見れば。
不愉快そうに唇を歪め、煙草に手を伸ばす所だった。
宇田川は膝を付き、雅の顔を覗き込む。
「徐々に、バランスを取っていきましょう。お願いですから、いつも…笑っていてください。あなたは笑っているのが一番綺麗です」
雅の手を取り握る宇田川の甘やかさに、凱司は思い切り眉をひそめると、無言で煙草を鷹野に突き付けた。
「凱…俺、宇田川さん腹立つんだけど」
無遠慮に凱司のベッドに腰掛けた鷹野が、煙草をくわえた。
「俺もだ」
凱司が火のついた煙草の先端を鷹野に向ければ、鷹野は先端を合わせて火を移す。
「……どこまで本気だった?」
「お前ら来るの解ってて本気もクソもあるか」
「…来なかったら?」
「…そうだな…“手込め”にしても良かった」
「ああ、昌也がそんな言い方したっけなぁ」
何やら互いに膝をついて甘い空気を醸し出す宇田川と雅を、呆れたように見やりながら。
同時に、煙を吐き出した。