たぶん恋、きっと愛
「うわ、本物だし」
提出物のノートを指で避け、鷹野はロゴを確認したのか、苦笑しながら、元に戻した。
「通学用? このアルマーニ」
「アルマーニ?」
アルマーニが何だか解らないのか、雅は不思議そうに自分のバッグを触ると、表面のプリントをなぞる。
「アルマーニってブランドでしたよね?」
何色、と言うのだろう。
生成りよりは茶が強く、モカよりは遥かにまろやかな色合いのバッグは、確かに教科書もファイルも悠々入りそうだ。
うん、かなり有名だけど、知らないんだ? と笑った鷹野に、雅は首を傾げて眉を下げた。
「…………貰ったら駄目な値段、だったりする…?」
首を傾げた鷹野が、微妙な笑顔を浮かべるのを、ややひきつった笑顔で見やり、ゆっくり振り仰いだ。
「E・アルマーニだろ? 5万くらいじゃねぇか?」
「ごっ…!?」
ひょい、とバッグを持ち上げ、ロゴを見た凱司は、さらりと言ったけれど。
雅は、嘘です!と叫んで、頭を抱えてしゃがみこんだ。