たぶん恋、きっと愛


「1階ですし…この窓には、格子を付けたほうがいいかと思います」


唯一の小さい窓も、人1人が通れないほどではない。


「そうだな」

外されて、抜け出されては困る。


店に出ていない時間は、この部屋に監禁して、外から鍵を掛ける。

仕事の目処と、息吹本人の目処が立つまでは。


これ以上、鷹野に借金が嵩むのはいただけない。

ウロウロされて問題を起こされても、困る。


特に、雅に危害が及べば。



…きっと、殺すしかない。



「面倒な兄弟だよなぁ…」


金髪に指を突っ込んで苦笑した凱司に、宇田川は、仕方ないでしょう、と可笑しそうに呟いた。


「あなたが拾って来たんですから」



「…ああ、雅ん時は、そのセリフ、鷹野が言ったっけな」



そう、仕方がないのだ。

もう、拾ってしまったのだから。
 


< 375 / 843 >

この作品をシェア

pagetop