たぶん恋、きっと愛



どんな噂が流れても、もう決して暴力的な消し方をしないでください。

と、雅が言った場所は、友典のクラス、2年生の棟にある教室だった。



「ごめんなさい、本当に…ごめんなさい」


静まってしまった教室の入り口で、深々と頭を下げた。


昼食の準備をしようとしていた、知らない先輩たちの視線が、怖いほどに雅に刺さる。

噂を知らない者もいなかったし、実際昨日、被害を被った者も、唖然と雅を見つめていた。



「…確かに、噂は消したかったです…」

でもまさか、そんな手段取るとは思わなくて。


ごめんなさい。
ごめんなさい。



ひとりの、女生徒が唖然としている宇田川の背中を叩く音で、そこにいた全員が我に返った。




「宇田川、女の子に何させてんのよ!!」

「………」


慌てて雅に向かって歩き出した友典の、ひどく困惑した表情にクラスの誰もが目を見張った。
 


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