たぶん恋、きっと愛
「指……煙草臭い」
「…ああ」
きゅ、と閉じた唇を、横に撫でる。
「……ど、したん…ですか?」
何が起きているのか、解らなくはないのだろう。
雅の唇から血の気が、引いた。
左腕で更に腰を引き寄せ、俯きかけた頬を、右手で包む。
「…たば…こ…くさい」
抗議のつもりなのか、囁くように小さな声で言う雅も、近付きすぎた唇に、明らかな拒絶は見せなかった。
触れるか触れないか。
やわやわと掠める。
「…凱司、さん……?」
「…黙れ」
左手が、雅のシャツから背に、滑り込んだ。
素肌を、指が這う。
「………っ」
僅かにのけぞった背を押さえ、凱司の手はシャツの内側を上がって行く。
掠めていた唇を、奪うように合わせると同時に、下着の留め具が、外された。