たぶん恋、きっと愛
「雅は…宇田川を好きなんかじゃなかったはずだ」
柳井は、一歩踏み出す。
「宇田川は、あの金髪とギタリストが認めたって事か?」
もう一歩。
もう、雅の視界に、柳井の靴の先が入っている。
俯いたすぐそばに、体温がある。
「金髪は、…ギタリストは…雅の…何なんだ!!!俺を馬鹿にしてんのかよ!!」
両肩を掴まれ、大声を出した柳井に揺さぶられるまま、雅はぎゅ、と目を閉じた。
どうしよう。
どうしよう。
怖い。
わからない。
あたしは…あたしは、どうしていつも、泣くしか出来ないんだろう。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
あたしを好きにならないで。