たぶん恋、きっと愛



微かな笑みを浮かべた金髪の彼に、魅入った。


腕の内側、手首から這い上がる墨色の刺青が、なんだか解らずに目を凝らす。

行け、とばかりに顎をしゃくられた男が、相変わらず少女を怪訝そうにちらちらと見ながら、足早に、去っていく。

良からぬ取引を、目の前で、堂々と。


した、金髪の彼も。
見た、ポニーテールの少女も。

何も、動じない、まま。



つまみ上げたままだったタブレットを口に含んで、小首をかしげ、唇に指を置いたまま少女は。

視線の合わない事に、再び安堵して。


…蛇…?…それとも龍?

腕、あげてくれないかな…なんて。


やっぱり、単に綺麗な写真を見つめるかのような感覚で、もう少しだけ、と。


静かに息を、吐き出した。



 
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