たぶん恋、きっと愛
鷹野は職場で。凱司本人から。
友典は学校で。自身の父から。
今日帰れないとか、明日も帰れないとかではなく、いつ帰れるか解らない、と言う。
3日後か4日後か、10日後かも解らないのか。
『カタ、付き次第早めに戻る』
一体凱司は何をしているのか。
知らないままの鷹野も友典も、雅にどう伝えたら良いものか、頭を悩ませた。
きっと、明確にならない帰宅予定に、がっかりするだろう。
そして心配するだろう。
もしかしたら、予定通りに帰るかも知れない。
だけど一週間も帰らないかも知れない。
理由は、解らない。
訊いても、長引いてるんだ、としか答えがない。
鷹野は、簡素なメール画面を何度も読み返し、唯一の指示に、ため息をついた。
『雅を泣かせるな』
「…無理言うなよ」
泣かせそうなのはお前だろう?お前が予定通りに帰宅すれば泣かないだろう?
凱司。
お前、あの子をどうしたい?
あんなに慕われて、あの子をどうしたいんだ?
「…友典に…できるかなあ」
上手く、伝えられるだろうか?
それとも、伝えられないまま送ってくるだろうか?