たぶん恋、きっと愛





「なあ、凱司」


夏休み中ということもあり、雅は直ぐに、色々と把握した。

元々は活発な質なのか、それとも無理に張り切っているのか。

必要以上に働いている気がする。



「あの子、倒れるよ?」


今も、鷹野の視線の先で、草むしりをしている。

中庭になるのか、そのスペースは外からは見えない。

だから今まで凱司も、手入れをすることなど、考えてはいなかった。


「…別に敏腕家政婦雇ったつもりじゃなかったんだがなぁ…」


半ば困惑した顔で、鷹野の隣に立ち、ガラス窓の内側から雅を見下ろした。


「……あの子どうすんのさ」

「置いとくだけだ。男でも出来りゃ出ていくだろ」


吐き出すように言う凱司を見ずに、鷹野はため息をついた。


「……凱…お前……みたいな奴が傍にいたら出来るもんも出来ない…と思うけどな?」



「根性ねぇ奴はお断り」

「あんた父親かぃ」



呆れ半分な鷹野に、凱司は雅を指差した。


「んな事より、熱中症になる前に回収してこい」



 
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