たぶん恋、きっと愛
「宇田川、こっち来て座れ」
笑いをこらえ、手招く凱司に、ギシギシと音を立てるんじゃないかと思える動きで視線を向けた宇田川の頬は、雅に挟まれたまま。
自然と左手に触れた髭を、確かめるように二度、指先でわずかに絡めた。
「…雅さん……判りました、から…放して頂けますか…」
「もう少し」
腰を伸ばせないまま、オロオロと視線をさまよわせる宇田川の髭を指先で遊びながら、雅はついに両手で触り始めた。
「あたし、友典さんと話せなくなるの寂しいけど、友典さんに言われたことはショックだったので…。……癒やしです」
「いっ…癒やしならば…っ私の髭などではなく…!!」
早く凱司さんにコーヒーを…!それから凱司さんに触れればいいでしょう!
「…宇田川さんの髭、ほんと癒されますね…」
「聞いてますか!?」