たぶん恋、きっと愛
ったく、なにイチャついてやがる、と苦笑しながら立ち上がった凱司は。
渡された茉莉花茶を手にしたままの鷹野の頭に手を置いた。
昨夜は、危なかったはずだ。
不安定になった雅が、ただ甘く笑う鷹野に甘えない訳がない。
鷹野のキスに、惑わない訳がない。
なまじ経験があるだけに、素肌の触れる感覚に、あっさりと流されるだろう雅に。
じゃれつくだけのつもりであったかもしれない鷹野が流されるのも、判らなくはない。
だから。
一番安定を欠いたであろう、あの時に、電話を入れた。
妻の連絡を受けた宇田川も、自分と同じことを思ったのだろう、何度も、何度も掛け直していた。
もういい、と言った自分を完全に無視して、難しい顔で。