たぶん恋、きっと愛
「そうだ。もうすぐ俺も夏休みなんだ。雅ちゃん、どっか行きたいとこは?」
タオルを押さえたまま、鷹野が問う。
「俺は…実家で法要」
雅の寝かされた低いソファーを枕に。
寝そべりながら凱司は、つまらなそうに呟いた。
「ああ…そうか。毎年大変だなあ」
しれっと言う鷹野が、あれ?と首を傾げた。
「じゃあ俺、凱司居ない間、雅ちゃんと二人暮らし?」
ぴくり、と凱司の眉が上がる。
雅の表情は窺えないけれど、何も、言わないようだ。
「今年は鷹野代わりに行くか?親父、毎年待ってるぞ?」
「やだよ、あんなイカツイ兄さん達だらけの家」
肩をすくめて笑った鷹野が、雅の隣に寝転がり。
ふと、タオルを持ち上げた。
「…あれ……寝てる」
「…疲れてんだろ。動きすぎだ。……ったくガキのくせに気ぃ使いすぎなんだよ」