たぶん恋、きっと愛
「今日は、何した?」
「えっ?」
椅子を引いてやり、少しだけプリン食べようかな、と微笑んだ鷹野の言葉に、雅は一瞬、固まった。
「今日…ですか?」
「……」
鷹野は、とめられた煙草に手を伸ばすが、不自然に動きを止めた雅に、同じように動きを止めた。
どうしたの、と訊き掛けて、口をつぐむ。
「今日、は!バラの実から…要らない小枝を取り除いて…干してあるから…水で戻すから…」
しどろもどろな事を、自覚しているのだろう。
雅は大きく息を吸い込むと、気合いを入れるように、短く吐き出した。
「それから、蜂蜜いっぱい入れた、シフォンケーキを作りました」
小さなココット型に入った、ミルクティ色のプリンを冷蔵庫から出し、銀色のスプーンを添える。
鷹野の前に、そっとそれを置いた雅は、鷹野の怪訝な視線を避けるように、くるりと横を向いた。