たぶん恋、きっと愛
まるで、スクリーンの中の登場人物のように。
金色の箱の中でだけの出来事かも知れない。
薄墨色の蛇の描かれた、綺麗で大きな、箱の中だけでの出来事かも、知れない。
それでも。
その中で猫たちは。
たぶん、恋をしようともがき。
互いの傷を、舐め合うだけには留まらず。
きっと、愛を見つけた。
ゆっくりと元の位置に付けられたプラチナを、雅の指がなぞる。
鷹野の指も、なぞる。
指先と、微かな笑顔と。
唇とが。
どちらからとも、なく。
~fin~