切端詩集 断片的な虚構
炎
『炎』
人々の憎悪を背負って
炎上する夜の街を進む
すべてを望んだわけではなく
いつしかここまで来た
誰かに連れ去られるように
運命というものがあるのなら
それは意志の望みと言えて
すべてを自分で掴みとったのが
いまや幻想だとわかる
この炎で焼き尽くされたい
願ってもまだ俺は生きている
天使が祝福する
こんな暗闇でもなお