切端詩集 断片的な虚構
ピンクの象
『ピンクの象』
束の間の憂さ晴らしみたいな
甘さなどほんの数秒
あとは焦燥焦燥焦燥
その間に妄想と疑心暗鬼
これっぽっちの似非快楽と引換に
虫酸が走るのを止めるために
俺は今日も毒杯をあおる
金もない
希望もない
ピンクの象くらい見せろよ
ああ苦しいな
依存も楽じゃないのか
だがまだ足りない
往生際が悪いのが取り柄だ
それが美徳になる日を
俺は捜すのか?