切端詩集 断片的な虚構
体温



『体温』


当たり前にあるものが
なくなったときに感じる
驚きと悲しみ

君の体温が海で奪われて
冷たいモノが箱に入って帰ってきた時
僕は軽いウツになった

ただの軽いウツだ
泣けないだけの
君が夢に出てくるくらいの
軽い…

体温は空気みたいだ
僕は少しだけ窒息する










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