切端詩集 断片的な虚構
ソライロ
『ソライロ』
空(くう)の色なんかないくせに
君はここで生まれた俺達に
鮮やかで明るい青い色を
空色と呼ばせる
それは優しさなのか
憫れみなのか
無邪気さなのかわからないけど
虚空に嗚咽するときも
君の色がこんなに青いから
なにもかもを諦められる
一部じゃない
ほとんどでもない
なにもかもを
そう、なにもかもを、だ