切端詩集 断片的な虚構
僕だけに見えてる
『僕だけに見えてる』
僕の胸の中にはいつも
冬のように雪が降っていて
それは皆
天使の羽の形をしている
暗闇でも淋しくないように
あなたが僕に見せる
それがあれば孤独でも
ここにいられる
白い羽をはるか昔に捨てた
僕は暗黒に耐えられる
だから君のもとへと
こうやってあらわれる
悪行の限りを尽くし
人を傷つけ、弄び
破滅を笑いながら堕ちて
狂気と破壊に暮れた
その中でいつも
舞い落ちる白い羽
その意味をあなただけが知ってる
それが僕だけに見えてる
だからここで生きていける
死と共に
闇の中で
凍っては融ける雪のように