八重桜の木の下で
「これこれ。ちっせえなーこの箱、今見ると。」
「すごい『小崎先生へ』だって。自分への手紙。中学生の時書いたのに。」
「おお……『仲野大先生様へ。』だって。先生になる気満々だなあ。」
「あれ?この真新しい葉書は?あとから入れたの?」
「いいや?埋めた時、今の倍トシをくうまで開けないって決めたじゃん。
うわ。誰からか知らんがすごい宛名だ。『夫婦漫才コンビ先生へ。』」
「はあっ!?誰が夫婦よ。誰よこんなの入れたの! 」
「見に覚えのない字だよなあ。読んでみるぞ。
『前略 生還おめでとう!
あなたたちが子どもの頃、
私の根っこに座ってよく語り合っていたのを覚えています。
そんなお二人が好きでした。
また子ども達を連れて遊びに来てくださいね。
それと、家に帰るまでが遠足です。
頼むから、もういい大人なんだから、
赤信号なんか渡らないように!
びっくりするわホンマにもう。
どかんっと咲いてぼやっとした色の、ガツンとした桜より。』」
「すごい『小崎先生へ』だって。自分への手紙。中学生の時書いたのに。」
「おお……『仲野大先生様へ。』だって。先生になる気満々だなあ。」
「あれ?この真新しい葉書は?あとから入れたの?」
「いいや?埋めた時、今の倍トシをくうまで開けないって決めたじゃん。
うわ。誰からか知らんがすごい宛名だ。『夫婦漫才コンビ先生へ。』」
「はあっ!?誰が夫婦よ。誰よこんなの入れたの! 」
「見に覚えのない字だよなあ。読んでみるぞ。
『前略 生還おめでとう!
あなたたちが子どもの頃、
私の根っこに座ってよく語り合っていたのを覚えています。
そんなお二人が好きでした。
また子ども達を連れて遊びに来てくださいね。
それと、家に帰るまでが遠足です。
頼むから、もういい大人なんだから、
赤信号なんか渡らないように!
びっくりするわホンマにもう。
どかんっと咲いてぼやっとした色の、ガツンとした桜より。』」