あたしが見た世界Ⅲ【完】






彼は黒板を一瞥した後、サラサラとチョークで文字を書いていく。




「……………」




書き終わった慧が、なにやらニヤニヤ笑いを堪えながら席に戻る。




「かっ金井ィィイ!!!」




数学の教員が急に、真っ赤になって慧を呼ぶ。




――何したんですか




僕はその言葉を飲み込んだ。




すぐに分かることだと思ったから。






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